生牡蠣に合うワインを発見。しかも覆面!?

生牡蠣とワイン

ワインプロデューサーのおーみんです!

生牡蠣とワインのお話です。

生牡蠣とワインのペアリングは難しい・・・

生牡蠣

もともと、牡蠣は苦手だったのですが、昔新潟に出張した時にすっごく新鮮な生牡蠣をいただいて、それに感動して大好きになりました。

この時、自分が苦手だった生牡蠣の要素は、香りだということが分かりました。
特にあまり新鮮ではないものや状態の良くないものは、生臭い香りを感じてしまう・・・
これが苦手な原因でした。

生牡蠣って、ワインが合いそうなイメージがあるし、ワインを合わせてみたくなる食材。

でも、実際に合わせてみると結構な割合で生臭くなってしまう・・・
新鮮で美味しい生牡蠣でも、間違ったワインを選ぶと私が苦手だった「あの香り」を引き出してしまうのです。

生牡蠣とワインは、意外とペアリングが難しい・・・

なので、生牡蠣に合うワインを探し続けていましたが、文句なしに合うものが見つかりました!

ニュージーランドの銘醸地マールボロの伝統を破壊する「ヴァンダル」

過激なタイトルですが、ニュージーランドの銘醸地マールボロと言えば、フランス原産の白ワイン用ぶどう品種ソーヴィニョンブランが、本家フランスを抜いて今や世界で一番美味しいと言われている産地です。

マールボロのソーヴィニョンブランと言えば、ハーブなどの植物的な香りが鮮烈で、クリアな酸味があって誰が飲んでも美味しい辛口白ワイン。
→ マールボロらしいソーヴィニョンブランでオススメはコレ!

そのようなマールボロで、かなり変わった造り手が「ヴァンダル」です。

まず・・・3人のワインメーカーは覆面をしているんです(笑)

ヴァンダル

「ヴァンダル」は「破壊者」という意味で、マールボロを拠点とする3人のワインメーカーが、「マールボロの伝統的なワインスタイルを破壊して新たな可能性を拓く」ために2016年にスタートしたシークレットプロジェクトです。

ワインメーカーの詳細もシークレットです。
自由なワイン造りをするために、正体を明かさず、覆面をしています。

「ヴァンダル」は、マールボロで生まれた葡萄を自然酵母で発酵し、自由な発想とナチュラルなアプローチによりマールボロワインのスタイルに新たな可能性を拓くべく、挑戦的なワイン造りを追求しています。ファーストヴィンテージの2016年から、毎年超限定生産にてリリースしています。そのため、なかなか入手できません。

ぶどう畑の作業の時はさすがに覆面はしていませんが、覆面を頭に付けて作業をしているそうです。余計に目立つ(笑)

そんな「ヴァンダル」が破壊的なソーヴィニョンブランのワインを造りました。

生牡蠣と一緒に発酵させるワイン「レジスタンス」

レジスタンス

え??
どういうこと??

と思いますよね。

「ヴァンダル ゴンゾー レジスタンス」というワインは、マールボロで有名なソーヴィニョンブラン種を100%使った白ワインで、本当に発酵中の樽にフレッシュな生牡蠣を1樽あたり2個入れてしまいます。

しかも、その美味しさで世界的にも有名な、ニュージーランド特産の牡蠣「ブラフオイスター」を衛生状態にも注意してフレッシュな状態で樽に入れます。造り手によると、牡蠣の味わいをワインに付けるという意図はなくて、「隠し味」と「遊びゴコロ」だそうです。

ヴァンダル

ちなみに、レジスタンスとは「権力などに対する反抗」という意味。

破壊者(ヴァンダル)の権力に対する反抗のカタチ、それが「ヴァンダル ゴンゾー レジスタンス」なのです。オモシロイでしょ??

レジスタンスを生牡蠣に合わせてみると・・・

生牡蠣とレジスタンス

まず、テイスティング!

やや濁った輝くイエローの色調。

はじめにバニラのような樽香が微かに感じられ、蜂蜜の甘い香り、レモンの酸味を感じる香り、マールボロ産のソーヴィニョンブラン特有の植物的な香りははじめはあまりしないが徐々に現れます。マールボロらしい鮮烈なグリーンの香りは感じません。

口に含むと、ブラフオイスターの隠し味なのか凄まじく豊富なミネラル感。エレガントな酸味もしっかりあり、澱から来る旨味も充実。

あらゆる要素が大きなボリュームで調和が取れている味わい深いグランヴァンです。マールボロ・ソーヴィニョンブランの新しいカタチですね。

生牡蠣と合わせると・・・

まず、生牡蠣とレジスタンスを合わせると、生牡蠣もレジスタンスもさらに美味しくなる!いわゆるマリアージュの世界で、ペアリングのあるべき姿を見せてくれます。

生牡蠣を食べてレジスタンスを飲むと、まるで生牡蠣レモンを絞ったかのような爽やかな風味が口中に広がります!レジスタンス単体で飲むと感じなかった、鮮烈な果実味が爆発する感じ。さすが、破壊者。

そして、気になる生臭さは全く感じません。

樽に生牡蠣を入れて発酵させるというとんでもない発想のレジスタンスですが、それによって牡蠣のミネラル感を手に入れているようです。だから、全く違和感を感じない。むしろ、高め合うことができる。

今まで数々の生牡蠣とワインの失敗を考えると、これほど安心してペアリングできるレジスタンスには感動でした。

生牡蠣に合うということは、様々な魚介類に合わせられるでしょう。
お寿司などにも気軽に合わせられそうですね。

ヴァンダル ゴンゾー レジスタンス

マールボロ・サザンヴァレーに位置する樹齢35年のシングルヴィンヤードより、手詰みで収穫したソーヴィニヨンブラン。自然酵母による自発的な全房発酵の過程を、フレッシュなニュージーランドブラフオイスターと共に行いました(プレス前にオイスターは取り除く)。発酵途中でプレスして300Lの古樽へ移し、マロラクティック発酵も100%。6ヶ月間全ての澱と一緒に樽熟成を経て、無濾過・無清澄でボトリング。SO2はボトリング時に極少量の添加のみ。200ケースのみの超限定生産。

■産地
ニュージーランド・マールボロ地区
■タイプ
白・濃厚でコクのある上品な辛口
■ぶどう品種
ソーヴィニョンブラン100%
■合う料理
牡蠣料理、ムール貝の白ワイン蒸し、お寿司

→ ワインの詳細はコチラ

→ ヴァンダルのその他のワインはコチラ

葡萄が苦手にもかかわらずワイン輸入業者に入社。そこでワインの魅力に目覚めてヨーロッパ各地のワイナリーを訪問して経験を積み、2011年に独立。ワインと料理のペアリングに特化したメディア通販「レモンタージュ 」の運営、飲食店プロデュースなどを通じて「日本にただ一人のワインプロデューサー」として活動中。また、茶道、書道、音楽、アートなど、様々な業界とワインのコラボイベントを実現し「ワイン界の異端児」と呼ばれている。

ワインプロデューサー大西 タカユキ公式ウェブサイト

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