ワインプロデューサーのおーみんです。
世の中には、「美魔女」というコトバがありますが、ワインの世界にも「美・古酒」があります。
→ 1000円台で楽しめる18年〜26年熟成の「美・古酒」商品一覧
歳を重ねて輝きを増す「美・古酒」
ワインの魅力のひとつ、「熟成」。
ワインの熟成とは、ワインがゆっくりと時間をかけて酸化していくことで、若い頃には見られない素晴らしい香りが生まれ、時と共に磨かれて味わいが球体に近づいていく現象です。
「美魔女」とは、才色兼備の35歳以上で「魔法をかけているかのように美しい」人のことを言うそうですが、最高の熟成を経たワインは歳を重ねて輝きを増し、まさに魔法がかかったかのような「芸術」へと変貌します。
熟成を経て輝く古酒を飲んでいると、しばし時間を忘れてしまうほど・・・
できることなら、毎日熟成古酒を愉しみたい。
でも、なかなかそういう訳にはいかない理由があります。
古酒はアタリ・ハズレが多く、値段が高い。
ワインの世界に「古酒」の定義はありませんが、概ね10年以上熟成したワインのことを呼ぶことが多いようです。
古酒は全て美味しいかと言うと、そうではありません。
古酒は、アタリ・ハズレが多いのです。
古酒はアタリ・ハズレが多いワケ。
そもそも、どのようなワインも長く熟成させると美味しくなるわけではありません。
熟成できるポテンシャルのあるワインが、良い状態で熟成した時に限り、「美・古酒」が生まれます。
また、ワインによって熟成のピークの時期が異なるので、古酒によってはピークを過ぎてワインビネガーのように酸っぱくなってしまったものもあります。
飲んでみないと分からない部分もあるので、アタリ・ハズレが多くなってしまいます。
古酒は値段が高い分け
さらに、古酒は値段が高いことが多いですよね。
これは簡単な理由です。
古いワインになっていくと、当然飲まれて数が減っていきます。
ワインの価格は需要と供給で決まるので、数が減ると希少価値が出て値段が上がるのです。
注意しなければならないのは、必ずしも品質が高くなるから価格が上がるのではないということです。
古酒は、選ぶのが難しいのです。
ワインプロデューサーの目利きで美・古酒を発掘しました!
今回のテーマは、1000円台で楽しめる「美・古酒」を見つけること。
方法はひとつ。
ワインのプロの目利きで探し出し、実際にテイスティングして品質を確かめること。
こうして見つけ出した、自分たちも自宅で楽しみたくなるような素晴らしい1000円台の「美・古酒」たちを特集します!
1000円台で楽しめる、驚きの「美・古酒」5選!!
【その1】今、まさに飲み頃!!コスパ過ぎて驚く26年熟成古酒!
■産地
フランス・ボルドー地方コート・ド・ブール地区
■タイプ
赤・まろやかに熟成した古酒
■ぶどう品種
メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン35%、マルベック5%
■合う料理
おつまみベーコン、ハンバーグ
■テイスティングコメント
グラスに注ぐと縁がややオレンジがかった透き通ったガーネット色。味のある古酒の色合い。なめし皮やシナモンなどの熟成香を感じるアロマにブラックペッパー などのスパイシーなアロマも交じり合っています。枯れたようなニュアンスはなく、非常に良い熟成をしています。まだ生き生きとした渋みさえ残しており、酸味が際立つこともなく調和が取れた素晴らしい古酒。何よりも驚くべきコストパフォーマンス。
(コルクがやや折れやすいので、しっかりとスクリューを差し込んでからゆっくりと抜栓してください)
By ワインプロデューサーおーみん
【その2】エキゾチックなアロマ!重力を感じない滑らか22年熟成古酒!
■産地
フランス・ボルドー地方
■タイプ
赤・まろやかに熟成した古酒
■ぶどう品種
メルロー主体
■合う料理
豚の角煮、魯肉飯(ルーローファン)
■テイスティングコメント
輝のあるやや透き通ったガーネット色で、オレンジがかった枯れたような色はあまり見られません。グラスに顔を近づけると、雨上がりの濡れた木々やなめし皮などの熟成香に加えて、漢方薬、八角などのエキゾチックなスパイスの香りも漂います。香りだけでもしばらく楽しめます。口に含むと、驚くべき滑らかな舌触り。重力を感じない滑らかな液体です。心地良いコクがあり、決して軽くはないボディ。ちょうど良いミディアムボディで、美しく磨かれて熟成した飲み頃のボルドーです。
By ワインプロデューサーおーみん
【その3】若々しい見た目と老練な味わいのギャップが魅力的な18年熟成古酒!
■産地
フランス・ボルドー地方プルミエール・コート・ド・ボルドー地区
■タイプ
赤・濃厚でまろやかな古酒
■ぶどう品種
メルロー62%、カベルネ・ソーヴィニョン26%、カベルネ・フラン12%
■合う料理
ビーフシチュー、焼肉、ステーキ
■テイスティングコメント
グラスに注ぐと縁がほのかにガーネットがかって見えますが、古酒とは思えないほど濃厚でほぼ黒い色調です。向こう側が見えないほど濃厚な色合いで、若々しさを感じる外観です。グラスに近づくと、紅茶、タバコなどのアロマに加えて、香ばしいエスプレッソのアロマが漂います。外観から若々しくて濃厚なのだろうと想像してワインを口にすると、若いパワーは感じるものの、舌触りがとても柔らかいのです。やはり熟成という魔法がしっかりとかかって魅力的な味わい。若々しい見た目と熟成感を備えた味わいというギャップが魅力の古酒。
By ワインプロデューサー おーみん
【その4】復活した18世紀の銘醸地フロンサックの実力!優しく洗練された21年熟成古酒!
■産地
フランス・ボルドー地方フロンサック地区
■タイプ
赤・まろやかに熟成した古酒
■ぶどう品種
メルロー80%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%
■合う料理
ローストビーフ、鶏肉の赤ワイン煮込み
■テイスティングコメント
色調はやや茶色がかったガーネット色。グラスに近づくと香りがゆっくりと立ち昇ってきます。枯れ葉や腐葉土など森の中の香りやブラックペッパーなどのスパイス系の香り、そしてほのかにトリュフなどの熟成を感じる香りも感じられます。ワインを口に含むと、舌触りはまるでビロードのよう。全く抵抗なく舌の上を流れます。無駄が無く洗練されていて、まろやかでエレガントなスタイル 。酸化が進んで酸味が際立つこともなく、優しさに癒される古酒。
By ワインプロデューサー おーみん
【その5】ユーカリのような癒し系アロマを持つ、格上ブルジョワ級の18年熟成古酒!
■産地
フランス・ボルドー地方メドック地区ムーリス村
■タイプ
赤・濃厚でまろやかな古酒
■ぶどう品種
メルロー45%、カベルネ・ソーヴィニョン35%、カベルネ・フラン18%、プティ・ヴェルド2%
■合う料理
牛肉とニンニクの芽炒め、ジンギスカン
■テイスティングコメント
ブルジョワ級に格付けされた格上ボルドー古酒!外観は若々しさも感じるガーネット色の色調。ほのかにユーカリのような植物系の香りがあり癒されます。時間を置くとシナモンやトリュフなど複雑な香りが現れるので、ゆっくりと時間をかけて香りを楽しむべき古酒です。メルロー種の濃厚まろやかな特徴に加えて、カベルネソーヴィニョン種のグリーンなニュアンスや力強さが感じられます。まろやかな渋みに加えて、キュッと締まった上質の酸味が特徴。酸味は突出していないので調和が取れており、飲み疲れしない要素になっています。熟成の素晴らしさをたっぷりと楽しめる古酒です。
By ワインプロデューサー おーみん