こんにちは!フードプロデューサーのふじこです。
夏になるとワインを飲む機会が減ると言われていますが、今年は各社「冷やして美味しい赤ワイン」
「氷を入れて楽しむワイン」など夏でも楽しめるワインの提案が広がっています。
先日聞いた深夜ラジオ「Jet stream」でも、
”実はサングリアは旅行客の飲み物で、現地の人たちは1対1の割合で割った
ワインの水割りを飲むのが、夏のスペインのワインの楽しみ方”と紹介されていました。
触発された私と、ワインプロデューサーのおーみんも意気揚々やってみたのですが、
元々濃いシッカリめのワインが好きな ふじこ 「・・・正直、わざわざ飲むほど美味しくはないです。」
繊細な味わいのワインが好きな おーみん 「ワインの風味が・・これはオススメは出来ないな」
と撃沈してしまいました。
水割りに美味しいワインは引き続き探していくとして、
今回は、暑い季節でもワインを美味しく楽しむために、氷を入れて冷やして美味しいワインをご紹介します!
ワインに氷を入れるのは、邪道ではない?
結論から先に申し上げると、邪道ではありません!!
ヨーロッパ(フランスやドイツ、スペインなど)では「ワインの水割り・氷を入れる」のは
一般的な夏のワインの楽しみ方の一つです。
ナポレオンもやっていた!ワインの水割り
実はワインを水割りで飲む方法の歴史は長く、ギリシャの哲学者ソクラテスや
フランスの皇帝ナポレオンもワインを水割りで飲んでいたという逸話が残っているそうです。
「ワイン屋がワインを水割りで飲む方法を紹介するのは、ワイナリーの方に怒られないかな?」
と心配だったのですが、
フランスなどのワイン大国でも若年層のワイン離れが進む中で、
夏は氷を入れたり水割りにしてアルコール度数を低くすることにより、
若者からお年寄りまで気軽にワインを楽しむことが出来る、ヨーロッパのワイン文化の一つです。
どんなワインが合うの?
今回水割りは納得のいく結果にはならなかったのですが、
一緒に試した”オンザロック”はワインを冷やすことでとても飲みやすい温度帯になり、
香りや味わいが常温の時とは違う広がりになりました!
![オンザロックで冷やして美味しいおすすめワイン!](https://lemon-tage.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_4852-1024x683.jpg)
オンザロックで冷やして美味しいおすすめワイン!
氷を入れることによって、ワインに起こる良くない変化
・溶けた氷の水分によって、味が薄まる。
・味や匂いが薄いワインは、存在感がなくなる
・渋みの強いワインは、冷やすことによってより渋みが強調される。
以上の点を踏まえて
・氷の水分で多少薄まっても美味しく飲める
・味わい、香りがしっかりしたワイン
・渋み成分が少ないワイン
を赤・白・ロゼ・そして今人気のオレンジワインの4種類からセレクトしました!
赤・白・ロゼ・オレンジワインに氷を入れて飲んでみる!
この実験で使用した氷は、家庭用の冷凍庫で作れる製氷機の氷です。
市販かち割り氷だと平均的な値が出せないのと、気軽に実践していただきたい気持ちもあったので
敢えて家庭用製氷機の氷を使用しています。
実験1.オンザロックで楽しむ白ワイン
![](https://lemon-tage.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_4907-1024x683.jpg)
オンザロックで楽しむ白ワイン
カンティーネ・エウロパ ロチェーノ グレカニコ 2018
【氷を入れる“前”のテイスティングコメント】
淡いイエローの色調。抜栓した瞬間匂いフェチにはたまらない、芳醇なフルーツのアロマを感じます。
柑橘系とわたあめのような砂糖の甘さを感じる香り。
熟したバナナの香り、白桃など甘い香りなのに、柑橘系のフレッシュな香りが混ざっているのでとても爽やか。
口に含むと非常にフルーティーで、クリアな酸味があり、ストラクチャがはっきりしています。
凝縮感があって、トロピカル。しっかりとしているのに、上品でエレガントな酸がバランスよく入ることでとても飲みやすい。
ミネラル感を感じるので、魚介類(特にタコなど)と合わせたい。
【氷を入れた“後”のテイスティングコメント】
【オンザロックポイント(5点満点)】1点/5点 ★☆☆☆☆
あまり変わらないが、風味がやや弱まり、味わいが少し薄まってまるでレモン果汁を絞ったかのように酸味だけが目立ってくる。水っぽくてオススメできない。
実験2.オンザロックで楽しむロゼワイン
![](https://lemon-tage.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_4913-1-1024x683.jpg)
ドメーヌ・ポール・マス クロード・ヴァル ロゼ 2019
【氷を入れる“前”のテイスティングコメント】
ごく淡いピンク色の可愛らしい色調。これも開けた瞬間思わず叫びたくなるようなストロベリージャムの甘い香り!
香りはさくらんぼやストロベリーなど赤果実の香り。心地良いアタックで、見た目よりはしっかりとしたタンニンが隠れている。
見た目に反した力強い印象のワインで、南仏らしいパワフルさがあります。上品な酸味も備えている、ギャップのあるワインです。
ブイヤベースや、トマトソース、白身の肉(鶏)と相性が良さそう。
【氷を入れた“後”のテイスティングコメント】
【オンザロックポイント(5点満点)】5点/5点★★★★★
チャーミングな香りはそのまま。より冷たく味わいは引き締まる。
氷が溶けて少し薄まっても、タンニンがあるので水っぽくは感じず、むしろ程よい飲みやすさと
アルコールが下がることによるカジュアル感が出て、非常に爽やかで良い。
常温で飲んだ時よりも、グッと甘みを感じるようになって飲みやすい。(でも砂糖の甘さではないです)
氷の代わりに冷凍したイチゴ入れたら果実味がマッチするのでオススメです。
氷が溶けた後に飲むと、味が更に変化。薄いのに風味はしっかり残っているので、
どっしりとしたコクのあるカニクリームコロッケと合うと思いました。
実験3.オンザロックで楽しむオレンジワイン
![](https://lemon-tage.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_4916-1024x683.jpg)
ギウアーニ ムツヴァネ クヴェヴリ 2018
【氷を入れる“前”のテイスティングコメント】
美しい黄金色。ヒノキ、アンズ、ホワイトペッパーなどエキゾチックで癒し系の香り。
収斂味があり、しっかりとしたタンニンが余韻に現れる。酸味はそれほど強くないが洗練されていて素晴らしい調和のワインです。
【氷を入れた“後”のテイスティングコメント】
【オンザロックポイント(5点満点)】2点/5点 ★★☆☆☆
香りが一気に弱まっていて、水っぽくなる。バランスが崩れてしまい、本来の美味しさと魅力が消えてしまいます。
これはオススメしません。
実験4.オンザロックで楽しむ赤ワイン
![](https://lemon-tage.com/wp-content/uploads/2020/07/IMG_4919-1024x683.jpg)
グースバンプ 2018
【氷を入れる“前”のテイスティングコメント】
濃厚な赤紫色。樽を使っていないのに樽のようなスモーキーな香りを感じるのが不思議。
レーズン、バニラ、シナモン、ブラックペッパーなどエキゾチックなアロマ。
凄まじくマイルドな口当たり。はじめに干し葡萄のような甘さが立ち上がってくる。
その後、隠れていた酸味や丸いタンニンが追いかけてきます。
飲んだことがない人が受ける衝撃は、まさに「鳥肌モノ」!
※名前の「グースバンプ」は「鳥肌」という意味です。ラベルも不思議な手触りになっています!
甘いのに全然嫌な甘さではないです。
レーズンから果汁を絞ったような(そんなことは不可能ですが)、濃い味わいに感動します!
【氷を入れた“後”のテイスティングコメント】
【オンザロックポイント(5点満点)】4点/5点 ★★★★☆
氷は1個がオススメ(重要です!)氷が溶けていくと、甘味が増してきてすごくチャーミングになる!この変化も楽しめる!香ばしい香りも洗練されて感じる。味わいはややアルコールが下がって非常に飲みやすいが、赤ワインのタンニンがあることで骨抜きにならない。美味しい味わい。
まとめ
結果は、オンザロックで美味しいのはロゼワインと赤ワイン。
そのまま飲んだ方が美味しいのは、白ワインとオレンジワインでした!!
白ワインは氷を入れたら美味しいだろうなぁ、と思っていたので、この結果はとても意外でした。
おーみんがロゼワインのオンザロックを飲んだ時に気づいて、赤ワインで確信した重要なポイント。
それは、
氷を入れるワインは、タンニン(渋み)があった方が良い!
白ワインや白ぶどうで造ったオレンジワインにはポリフェノールやタンニンなどの渋み成分がないため、
氷を入れると主軸となる「酸味」や「香り成分」が薄まって存在がとてもあやふやになります。
逆に、赤ワインや黒ぶどうで造るロゼワインは渋み成分があり、氷を入れても渋み成分は
ワインを味わうための骨格として残っているため、多少薄まったとしてもワインそのものの
風味はしっかりと味わうことが出来るのです。
その上冷やすことによって、温度帯が変わるので、常温で感じていた香りや風味とは違う
味わいも楽しむことができます!
いかがでしたか?
今回セレクトしたワインはどれも美味しかったので、是非ご自宅でも氷を入れて味わいの違いをお楽しみください!
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