肉には、赤ワインという幻想。
ワインプロデューサーのおーみんです。
ステーキと赤ワインは、王道のペアリング・・・
と思っている方が多いのでは?
ステーキハウスで美味しいお肉料理をいただいていて、必ずしもそうではないことを実感しました。
そもそも、肉には赤ワイン、魚には白ワインという、ペアリングの俗説。
これは、間違いです。
肉料理と言っても、濃いソースをかけているものもあれば、
塩胡椒だけで食べるものもあります。
塩胡椒で食べるお肉料理に赤ワインが合うでしょうか?
実際に合わせてみると、塩胡椒だけの味付けの繊細な肉料理の味わいを赤ワインがかき消してしまいます。
こういう場合は、肉料理なのに白ワインが合うことが多いのです。
肉料理、魚料理問わず、淡白な味付けなら白ワインを、濃厚な味付けなら赤ワインを合わせるとうまくいきます。
まず、肉には赤ワインという幻想を捨ててしまいましょう!

肉料理に合うワインは、オレンジワインか??
肉料理に合うワインは、赤ワインか白ワインかロゼワインか?
その選択肢にもうひとつ加えたいのが、オレンジワインです。
オレンジワインとは?
オレンジワインは、最近世界的に流行しているのですが、オレンジを使ったワインではありません!
オレンジ色のワインという意味です。
オレンジワインを一言で説明すると、「白ワイン用のぶどうを赤ワインの製法で造ったワイン」となります。
白ワインは通常ぶどうジュースを絞り、その果汁だけでワインを造ります。
色素を含む皮や渋みを含む種が無いので、ほぼ透明の渋く無いワインに仕上がるワケです。
オレンジワインは、ジュースを絞るわけではなく皮も種も一緒に醸します。
まるで赤ワインのように。
そうすることで、皮から色素が出てオレンジ色っぽくなり、種から渋みや独特の香り成分がワインに移ります。
こうして、美しいオレンジ色の色調の、独特の癒しの香りを漂わせた、渋みを含むワインが生まれるのです。
和牛肉の炙りカルパッチョに合うワインは?
この日、まず合わせたのが、和牛肉の炙りカルパッチョ。
ほのかにガーリックの風味が効いていて、とっても香ばしい!
味付けはそれほど濃厚ではなく、どちらかと言うと繊細な旨味。
以下の3種類を合わせてみると、、、
- やや濃い赤ワイン・・・△完全に赤ワインが勝ってしまって、バランスが悪い!
- ほのかに甘い赤ワイン・・・○予想外に合うが、やはり赤ワインの渋みがお料理をジャマしてしまう。
- 飲みやすいオレンジワイン(ジョージア産)・・・◎肉の旨味を引き立ててお料理をジャマせず、お肉もワインも美味しくなる!
和風ステーキに合うワインは?
ステーキとも合わせてみました!
今回は、ややレアで焼いた柔らかいステーキを塩、ワサビ、醤油でいただく和風ステーキ。
- やや濃い赤ワイン・・・△醤油なら合うが、赤ワインが目立ってしまう。
- ほのかに甘い赤ワイン・・・○合わせるとワインがステーキソースのような風味に感じて、意外に合う!
- 飲みやすいオレンジワイン(ジョージア産)・・・◎塩、ワサビ、醤油、どのような食べ方でも、オレンジワインと合わせると肉本来の旨味が味わえる!
ペアリングまとめ
肉料理でも、濃厚なソースをかけた洋風のステーキなら濃厚な赤ワインが合いますが、あっさりとした和風の食べ方ならオレンジワインの程良い濃厚さがピッタリ!
白ワインは、タイプにもよりますが繊細すぎてやや肉料理に負けてしまうことがあります。
オレンジワインには渋みがあるので、肉料理に負けてしまうことはありません。
また、オレンジワインは、特にガーリックの風味と相性が良いのが印象的でした!
どのような肉料理でも、どのような味付けでも、最も守備範囲が広いのがオレンジワインです。
はっきり言って、赤ワインよりも万能!!
例えば、ステーキハウスのコースで1本のワインで通すなら、オレンジワインがおすすめですよ!
お店のワインリストにオレンジワインがあるとは限らないのが悲しいところですが・・・
オレンジワイン、試してみたい方はコチラがおすすめ!
葡萄が苦手にもかかわらずワイン輸入業者に入社。そこでワインの魅力に目覚めてヨーロッパ各地のワイナリーを訪問して経験を積み、2011年に独立。ワインと料理のペアリングに特化したメディア通販「レモンタージュ 」の運営、飲食店プロデュースなどを通じて「日本にただ一人のワインプロデューサー」として活動中。また、茶道、書道、音楽、アートなど、様々な業界とワインのコラボイベントを実現し「ワイン界の異端児」と呼ばれている。
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